Rewrite曲どこまでこたこと解釈可能かなチャレンジ ~Philosophyz編~

Rewrite

はじめに

 当記事は某日某所で開催された「こたこと推し会」にて弊サークルがプレゼンを行なった内容を、ブログ公開用に焼き直したものです。以下3点をご留意の上でお読みください。

  • うなせん君の勝手な解釈です
  • 多少強引な部分があります
  • ネタバレ注意(Hf含む)

 今回は歌詞を7分割してそれぞれのブロックでこたこと的に解釈をリライトしていきます。歌詞カードなどお持ちであれば、お手元で歌詞を参照しながらお読みいただくとスムーズかもしれません。

ブロック1

1-1.ひび割れた夜に幾星霜の空

 本来であれば間違い無くMoonのお話ですが、ここではTerraで語られるコタの初陣と解釈します。最大級の脅威に遭遇し初めて人の死を目の当たりにしたあの夜です。
 長い長い人類の歴史(幾星霜の空)が積み上げた狩猟技能を駆使しても容易く敗れてしまった天才を見て、コタは自分のポジションを再認識しました。

誰でも死ぬ。ふと死ぬ。つい死ぬ。

(中略)

この戦場で、一番死にやすいのは俺だろう。

Terra

1-2.映る僕たちは幻 もし叶うのなら昨日とは違う本当の僕をこの地に

 先ほどのシーンから続きます。その後朱音を助けたコタは鍵に遭遇。ここで「逃がす」ではなく「確保する」か「排除する」を選択した場合、彼は鍵の反撃を受けて重傷を追い、小鳥の処置を受けて入院、ガーディアンの手で記憶操作を受けます。

そう。青春ってやつに、ひとつ本気で取り組んでやろうじゃないかってな。

Terra

【今時の男】「まっとうなガクセーさん、やってんだな」

共通ルート 10/04

 その先にある「青春」、つまり個別ルートでのエピソードこそがMoonのコタが良しとしなかった「幻」であり、また、「昨日とは違う本当の自分」というワードは同じくMoonでの独白を思わせます。

【瑚太朗】「どこかの誰かになりたかった。自分が、不器用だということを思い知っていたから」

Moon 対話

 そんなわけでこの部分はMoonであるように思えますが……、それはこの歌詞がコタ視点という前提があっての話です。
1-1.ひび割れた夜に幾星霜の空」が個別ルートへの分岐に向かう前置きであるということは、つまりコタが半魔物化されるに至るプロローグであるということは、続く「1-2.映る僕たちは~」には別の視点を生む余地があります。そう、小鳥です。「性格が変わってしまったコタ(幻)とそれを見る小鳥」の描写ではないでしょうか。水面の月が云々、とコタが何度か言っていることもあり「映る僕たち」の部分はどうしても意識がMoonへ引っ張られてしまいがちですが、水面ではなく小鳥の瞳に映っているのです。

水面に映った月は、かき乱されてもまた蘇る。

Moon 少女篝

 また、「僕たち」から男性視点である気がしてしまいますがコタの一人称は「俺」です。従ってここで言う「僕」は「特定の個人としての一人称」ではなくただ単に自己を呼称するためのワードであり、「僕たち」は「自分たち」と読み替えることが可能です。

 これらを踏まえた上で「もし叶うのなら昨日とは違う本当の僕をこの地に」と来れば「一定の距離を保ち続けながらも本心ではずっとコタを求めている小鳥」が浮かび上がって来ます。こたことです。

ブロック2

2-1.僕ら生きてきたこと彼方へ消えてく

 本来の解釈はMoonからTerraへ、アウロラの返還による生命史のリセットのことでしょう。しかしここではもっとミクロな視点でいきます。

【小鳥】「生きて、死ぬのはいい…」
【小鳥】「けど…生きて、生きたなら………結果が欲しいよっ」

小鳥ルート

 小鳥ルートでのワンシーンです。鍵が殺されれば、小鳥はやがてパワースポットへのアクセス権を失います。それは幼少期から今まで繋ぎ止めていた

  • 両親のなれの果て
  • 半魔物状態のコタ
  • 工房
  • ちびもすを含む数々の魔物

の喪失を意味し、今日までの人生を捧げたと言ってもいい全てを失うことになります。

ドルイドという仕事。
それは思うよりずっと重いものだったんだ。
人生の全てを賭けねばならないほど

小鳥ルート

 生きた結果を欲して涙を流した小鳥の心象、と解釈することができます。

2-2.錆び付いたレール 君はただ立ちつくす

 行き先を確定させる「レール」、そしてそれが機能しなくなる「錆び」です。未来が不確かで危うい状態であることを示すこの描写は「君はただ立ち尽くす」も含めどうとでも解釈できますが、先述の「生きた結果が欲しい」と合わせれば「未来に希望を見出せない小鳥とそれを見つめるコタ」という構図が見えてきます。

2-3.今この腕に流れる (中略) 灰の星へ誓うよ

 本来の解釈は恐らくコタから月篝への想いです。「灰の星へ誓うよ」はMoon最終決戦、もしくは月篝への「■」であるとするのが最も無難だと思われます。が、ここは2つに分割すればこたこと的な解釈が可能になります。

2-3-A.今この腕に流れる 碧い火があるなら 振り返る君の手を引いて

 アウロラ使ってなんか頑張るよ的な意味なのは本来の解釈でもこたこと解釈でも変わりませんが、「振り返る」でその後小鳥の心境、もしくは状況に変化があったことが読み取れます。

2-3-B.もう二度と離さないと 灰の星へ誓うよ

 ここからをコタ視点ではなく小鳥視点で読みます。先ほどの「振り返る」から二人の関係になんらかの変化があったのは確実なので「もう二度と離さない」はHf小鳥ルートとの紐付けが可能です。

【小鳥】「瑚太朗君が、他の人のところに行っちゃうっ」

Harvest festa! この良き日に

 さて、問題は「灰の星」です。どう考えても月、百歩譲っても月にアウロラを持って行かれた地球のことです。……が、思い出してみてください。凄腕美少女高校生記者の存在がここで重要なピースになります。

二年 ≪灰色少年≫ 天王寺瑚太朗
経歴に不審な点多し、背後関係はないに等しい?
直接取材が有効か

共通ルート 10/05

【小鳥】「灰色少年って何?」

共通ルート 10/05

 そうです、「灰色少年」です。
 レールを失った小鳥が灰色と称されたコタを目印に生きていくと決めた、なんて読み方ができれば素敵です。彼の本来の性格を知る小鳥は「灰色」という表現にさほど違和感を持たないのではないでしょうか。この「灰の星」はあとでまた出て来ます。

ブロック3

3-1.書き換える この詩を

 どうとでも解釈できますが、2番に突入する前の一区切りとしてはこのあたりかもしれません。

もう耐えられない。
もう臆病でいる暇はない。
俺はもう、じゅうぶんに遠回りをした!
【瑚太朗】「だから、俺には幸せになる権利がある!」

Harvest festa! この良き日に

ブロック4

4-1.生きていく意味をここで探すなら 誰も悪を望みはしない

 ガーディアン入りしたコタが「人並みの人生を奪われこんなところへ来たのだから、せめて英雄として成り上がろう」なんて意気込みを見せる同期を眺めている描写です。

【西九条】「上に行かなきゃ、ずっと息が詰まったままだから」

Terra

 西九条などと違いコタは逃げるためにここへ来ているため、そんな連中を一歩引いて見ています。「魔物狩りの経験がある」だとか「江坂さんの推薦で来た」だとか、表面的なものよりもっと根っこの部分で既に周りと違います。そんな立ち位置に身を置きつつ、彼は恩師や仲間を裏切って嘘を重ねていくわけですが……

【瑚太朗】「戻ってきたら案内してやるよ」
ひとつ学んだ。
ひとつ嘘をつくと、あとは簡単に連鎖する。
【小鳥】「…約束だから」

Terra

これが今後嘘をつき続けるコタの、身近な人間に対する最初の嘘です。ここですね、ここで彼は嘘のつき方を知ってしまったんです。半魔物化よりも前に、彼の在り方は既に小鳥によって方向性を持たされていた、と見ることができます。誰も悪を望みはしない、しかしコタはその道を行く。そんな歩みから彼の孤独な在り方が滲み出るばかりか、さらに起点を見れば小鳥がいるわけです。こたことです。

ブロック5

5-1.暗い森の中 (中略) 無邪気なときには戻れない もう二度と

 世界の秘密を知り、小鳥の秘密を知り、自分の秘密を知ってしまったコタです。

【小鳥】「どうしても傷口がくっつかなかったんで、あのリボンみたいなやつを一本もらって、接着剤がわりに患部に埋めたの」

小鳥ルート

5-2.この世界で生きていく理があるなら その先に君を求めよう

 生きていく理、ここではコタが生きるための前提条件、つまり小鳥経由でのパワースポットからの供給です。コタの生命線であると同時に小鳥の負い目もこれを根としています。
着目すべきはここから続く「その先に君を求めよう」です。ただ今まで通りに小鳥を追いかけるのではなく、真実を知った上で「その先」と「君」を求めます。諸々解決した上で小鳥と共に歩いて行ける未来を彼は求めているのです。これは最後のブロック7にも繋がるものがあります。

ブロック6

6-1.何もかもが隠されたこの世界で生きるよ 僕だけの輝きを

 小鳥ルートにおいて、コタは鍵やそれを巡る二大組織について小鳥から聞かされることになります。しかし、彼にとってそれはさほど重要なことではありません。そしてこの「風祭の暗部やこの星の行く末よりも目の前にいる女の子の方が大事」という構図それ自体は他のルートでも大差はありませんが……小鳥ルートだけは他ルートと決定的に違う部分があります。
 他のヒロインと違い小鳥はどこにも属していません。つまり、唯一小鳥ルートにおいてのみ彼は「世界を左右しうる組織と関係を持たない」わけです。小鳥に次いで誰よりも鍵に近いところに立ちはしますが、救済も過大強化の最強も全てを蝕む毒も小鳥ルートにはありません。滅びへ繋がる要素はあれどそれが唯一発動しないのが小鳥ルートであり、そしてこれこそが世界と2人の関係です。コタと小鳥には、(原作で語られている枝に限って言えば)世界がどうこうという要素が無いんですね。だから何もかもが隠された世界であろうとそれらを明らかにする必要は無く、ただ僕だけの輝きがあればいいんです。

余談になりますが、HfのED「ささやかなはじまり」にて綴られている「大きすぎる世界でもいい 小さすぎたふたりでもいい」という一節も同じ匂いがしますね。あの曲もこたことだと思います。

ブロック7

7-1.嘆きの壁を砕き 赤茶けた砂覆う

 Hf突入後一発目の告白シーンです。まさに彼は今「」を砕かんとしています。

似た者同士なのに、間に見えない壁が立ちはだかっているようだ。
かつての俺は、この壁に負けてきた。

Harvest festa! この良き日に

 歌詞中には助詞がありませんので、赤茶けた砂については

  • 赤茶けた砂覆う
  • 赤茶けた砂覆う

 のどちらでも解釈が可能です。今回は後者でいきましょう。「赤茶けた砂を覆う」、つまり乾いた大地がコタの希望で覆われる瞬間です。小鳥が受け入れてくれない理由はわかった。解決もした。さあここからです。

思えばこのやわらかな拒絶は、小鳥の負い目そのものだった。
でも今の俺なら…これを乗り越えられるはず。

Harvest festa! この良き日に

7-2.いつか夢見た大地 逃げないもう そこへ

 しかしまたも失敗。そこから紆余曲折を経ていよいよ本気の告白に突入します。

【瑚太朗】(いつもみたいに諦めて…)
【瑚太朗】「………」
【瑚太朗】「諦められるかぁぁぁーーーーっ!」

Harvest festa! この良き日に

 大地とはあらゆる基盤であり、コタが求めるその新天地は小鳥の隣に他なりません。彼はもう逃げないのです。

7-3.今この腕に流れる 赤い血があるなら 振り返る君の手を引いて

 血の色で人外を表現するのは、良い意味で古典的と言える優れた表現方法です。これは同時に、「血が赤ければ人間である」という単純にして強力なコンテクストを敷設します。

 「赤い血があるなら 振り返る君の手を引いて」はブロック5で触れた「諸々解決した上で小鳥と共に歩いて行ける未来を彼は求めている」と対応していて、「半魔物ではなくなり、全てを知ったコタ」はようやく小鳥と対等になろうとする権利を得たと言えます。

でも今の俺なら…これを乗り越えられるはず。
”力”を失った今だからこそ。

Harvest festa! この良き日に

7-4.もう二度と離れないと遠い星へ誓うよ 書き換える その全て

あとちょっとで手が届くというのに、いくら頑張っても距離が変わらない。
俺たち、いつもそうだった。
追いかければ小鳥は逃げていった。

(中略)

【瑚太朗】「――」
この時、俺は何か思い出した。
それらは、うすうす自覚していたことだった。

Harvest festa! この良き日に

 本編開始前は実年齢と生き様。本編開始後は心の距離、そしてときには物理的な距離。「遠い星」はコタから見た小鳥と解釈できます。

 ここで思い出していただきたいのが、2-3-Bで述べた「灰の星」です。

コタ→小鳥小鳥→コタ
遠い星灰の星

 お互い星なんですね。6-1にて述べた「僕だけの輝き」も、ここで思い出してもいいかもしれません(1-2でも述べたように「僕」は単に「自分」と読み替えることが可能です)。
この2人、互いに相手が星で、互いにその輝きが自分の全てなんですよ。こたことです。
 

おわりに

 「Rewrite曲どこまでこたこと解釈可能かなチャレンジ ~Philosophyz編~」でした。
冒頭でもさらりと触れましたが、この記事は推し会のプレゼン資料が原本です。2019年の私はこんな内容のスライドをわざわざ作り、20人とかそれくらいのオタクたちの前で巨大なスクリーンをこたこと色に染め上げ、登壇してまで「こたことが~こたことが~」と鳴いていたんですね。充実してるなあ。

 そのうち「恋文編」も公開します。

コメント

タイトルとURLをコピーしました